私達は今日の生活において常に何かの危機もしくは問題に頭を悩ましているように思えます。もしその問題を解決することができたなら、私達はつかの間の幸せと、それに伴うくつろぎが手に入ると思っています。しかし事はそう簡単に上手く運びません。1つの問題が片付いたとたんに、次の問題が浮上します。健康の問題の後には、プライベートな問題、次には、仕事復帰における懸念などが続くものです。なぜそうなのかと私達はその理由を問うことができるでしょうか? もしくは、それは馬鹿げた質問であると見なされるのでしょうか? これらの出来事はまるで誰かが故意にこのような状況をつくり、私達を混乱させたいと思っているようにも見えます。

 

カバラの古代英知によると、この憶測がまったくの的外れではないということです。カバリストの説明はとても簡単なものであり、同時に受け入れ難いものでもあります。私達に起きるすべてのことは、上層の力(クリエイター、神、自然、又はあなたの呼びたいどんな名前でも構いません)によって送られたものであり、その目的とは、最終的に私達が、自分の人生の意義と目的を問う段階にまで発達するように駆り立てることなのです。ここは私達の旅のスタート地点です。それはカバリストの賢者達が伝える、私達を待っている平和で調和した世界に、私達の性質を変化させて到達できるようになるための旅の始まりなのです。

 

すべての大惨事や大災難も実は善意であり、私達にとって必要不可欠な内面的変化の達成をただ手助けするものであるということを受け入れるよう、私達は要求されています。ほとんどの人は、癌やその他の不幸な出来事が善意から送られて来たと受け入れることに難しさを感じます。

 

この難しさの理由は、私達が霊的発育において比較的に未熟であることにあります。親と幼い子供の関係を考えてください。幼い子供が親の動機について理解することは全くできません。子供は自分の腕に刺さる注射針を見て、それが自分の為であるとは理解できません。同様に、今の私達の霊的発育段階では、私達の世界を制御する上層の力の全ての行為を理解することは不可能であると認めなくてはなりません。

 

しかし、この状態が永遠に続くわけではありません。上記の例においても、子供は成長して、病気とワクチンのことを学ぶようになります。子供のころ泣き叫んでいた注射のことも、いずれそれが実は親の愛の行為であったと理解するようになります。そして実際、その子の子供も同じ体験をするでしょう。同様に、私達にも上層から私達に働いている様々な力について、もっと学ぶ機会(および責任)が与えられます。その時になり私達は、子供の頃の注射の理由を理解する様に、人生における苦難の意味も理解するようになるのです。

 

カバリストのイェフダ・アシュラグ(バール・ハスラム)は、そのことについて以下のように説明しました:

この英知とは、次の説明以上でも、以下でもない。それは、根源の連なりが、不変に定められた法則の原因と結果に従って下方に垂れ下がり、複雑に絡み合いながら、唯一で高尚な目的に向かっている。その目的とは、「この世において創造主のゴッドリネスを彼の被造物に啓示すること」と説明される。

 

私達にとって現在それらの法則は隠されている状態です。しかし、カバラの勉強と内面的な努力により、それらの法則を明らかにすることができます。カバラの書物には、地図またはそれらの力の成り立ちについての知識と、それらが私達に影響を及ぼすときに従う法則が記述されています。カバラは、それらの力にたいする感覚の発達方法を教え、最後に、それらの力の唯一の目的を教えます。その目的とは、私達がこの世に生きている間に、クリエイター(創造主)を明らかにすることです。そうすれば、私達は今までずっと探してきた真の平安を見つけることになります。

 

 

Last Updated (Tuesday, 11 August 2015 20:19)